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チップ・ハース+ダン・ハースの『アイデアのちから』を読んだ

運のせいにして言い訳をすまい!って気分になる

本の題を見て期待した事は、アイデアの生み出し方、発信源の探し方でしたが、本の内容は、アイデアの発信方法や人に納得させる方法論が主でした。また、生み出したアイデアがどのような影響を与えたのか、影響の規模や波及効果も期待しましたが、考えていたような内容ではありませんでした。

どんなに良いアイデアも成功と失敗がある

しかし、著者は言いたかったことは、どんなに良いアイデアであっても、成功する場合としない場合があり、それは発信の方法にあるという事のようです。この本は私が、期待していたことを主題にしていなかったのにも関わらず、引き込まれていったのは、人の説得方法です。

人を説得するのに苦労しない人はいない

飛び込みの訪問販売は、マーケティングで良しとされないにもかかわらず、飛び込みの訪問販売と似たような状況に多くの人は、経験しています。本来人間は、自分のことしか興味がないのだから、致し方がないのです。

全く興味を持たない、全く信頼されていない状況の中でも、プレゼンを行う、舞台の前座を行う、雑誌の一画を貰いエッセイを書くことがあります。自社の商品に、自分の芸に、自分の主張に興味を持って貰わなくてはなりません。

興味がない自分のために、時間を裂き付き合って貰うことて、容易な事ではありません。

かくいう私のようなブロガーでも同じで、興味を持ってもらうアプローチと、その仕組みに夢中になって読みふけりました。『あーそうそう』と私が常に意識して行っている事には、強く共感を持ち、自分のやり方に自信をつけます。逆に、予想外の著者の発想にメモをとり、『あー、こういうやり方もありか』と、必ずどこかで利用しようと心に誓いました。

決して忘れない世間話の意味と法則

『アイデアのちから』の本の始まりは、衝撃的です。出張に出たサラリーマンが、時間つぶしに入ったバーで、魅力的な女性にナンパされます。気がついた時は、冷たいバスタブにつかり、臓器刈りにあった事を知るのです。

一度聞いたら絶対忘れない話、衝撃的で、別の誰かに得意になってまた話したくなる内容です。

何故そうなのか?というところから、本が始まります。

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長い理屈に少し退屈だけど、最後まで読まずにはいられない

途中退屈という文字が頭に浮かぶほど、詳細に丁寧に、事例を交えながら、アイデアの発信方法が理路整然と書かれています。長ーい長ーい説明の後、読み終えた時に、最初の臓器刈りの話を思い出して、『そうかっ』とニンマリしました。

世の中センスのある人間の方が少ない

売れっ子セールスマンも、羨ましい売れっ子ブロガーでさえも、これほど、自らが何故注目されて、売れているのかを分析はしていないはずです。何故って、売れっ子の方達って、素質や才能が元々備わっているので、自らも気づかないセンスが根底に流れているからです。

でも、センスのある人間ばかりではありません。

年月をかけて地道に努力して、やっと開発した人たちとて、伝え方や説得の方法を誤ったばかりに、認められない人たちの方が俄然多いはずです。似たような製品で後から追い抜かれたり、アイデアだけを盗まれてライバルの方が脚光を浴びているなんて話は、ざらです。

成功と失敗を偶然にしちゃあいけないよ

この本の面白いところは、アイデアを聞く相手や場所といった偶然が、もたらす幸運的な事は書いていません。あくまでも、自らの演出方法にこだわって、『運がないから』なんていう言い訳もできない気分にさせられます。

言い訳はすまい!

アイデアの発信の仕方は、6つの法則化されていて、順を追って当てはめていく事で、完成度を高めていけるようになっています。法則の裏には、また別の法則が隠されていて、最初の法則とリンクしています。地道に読んだ人しかお得感がない仕組みになっています。

全てが繋がり、納得できるのは、『不器用でも真面目に前に進んだ者のみが成功』と言われているような気がして、得意になりました。

ちなみに、6つの法則とは、下記のとおり。

  • 単純明快である(Simple)
  • 意外性がある(Unexpected)
  • 具体的である(Concrete)
  • 信頼性がある(Credible)
  • 感情に訴える(Emotional)
  • 物語性(Story)

サラリーマンやクリエイティブな職業とは限らず、読んでみれば、自らの仕事を解決してくれるヒントが必ず見つかりそうな本となっています。

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