普通なようで斬新な、大人の甘辛ファッションをどうぞ
あっと息をのむ斬新なデザインは、時として野暮ったさと背中合わせです。百貨店で行われるセール期間に、このブランドでこの素材で、何故こんなに安いのかと首をひねることがあります。
切り返しが不自然だったり、ポケットの位置が変だったり、ギャザーが年齢を感じさせたりと、安い意味を見つけてしまうのです。年齢を重ねて失敗を見続けると、オーソドックスなデザインをつい選びがちになります。もう年なんだから失敗したくないという、ケチ根性がそうさせてしまうのです。
黒田 知永子さんがプロデュースするKcarat(ケイカラット)は、一見、シンプルで普通っぽいのですが、細部を見ると、斬新な仕掛けがしてあります。もっとよーく見ていくと、今まで見られなかった新しいデザインを、大胆に取り入れていることに気が付いてしまいました。でも、不思議と上述のように嫌ではありません。
黒田 知永子さんは、JJやSTORYでモデルをなさっていた方なので、服飾デザイナーとは違った観点で、多くの服に触れて着続けてきた方だからでしょうか。
モデルだったから着る人の気持ちが分かる
服のデザインって3次元なので、紙面や映像だけでは、良さは分かりません。多くの服を着続け、カメラの前でポーズをとりつづけ方たからこそ分かる、服の素材感とその着心地があります。動いたときの服と、体のラインのバランスもあるはずです。
人によって体のラインに、コンプレックスが違います。特に年齢を重ねると、崩れてきたラインを、カバーしてくれる服が欲しくなります。ケイカラットは、50代の女性のために作られたブランドです。
多くの人に目に触れるモデルだからこそ、コンプレックスのカバー方法を、知る機会がきっと多かったに違いありません。今回紹介したい服は、カジュアルでリラックスできるのに、きちんと感が感じられるものばかりです。『独自ブランドを立ち上げられるチカラは、こんなところにあるのね。』と、勝手に納得してしまいました。
アラフィフのファッションについて一言
50代のファッションは、得てして素材の高級感のみが強調されがちです。質が良くてお金が掛かっているのは分かるけど、デザインが好みでなかったり、野暮ったさを感じたりしていました。
ケイカラットは、若くエネルギッシュに見せるために、カジュアルなものが多いですね。タックをふんだんにいれたり、切り返しを斜めにしたり、異素材を組み合わせたり、前後の身丈を揃えなかったりと、私にとっては、斬新なアイディアです。
先日のベルメゾンの春のお勉強会で、担当者を捕まえて質問し続けてしまいました。袖口が2重になっているのはどうして。腰のベルトの位置が低いのは、何故?膝に切り込みは何のためにあるの。これらは、体型を問わずに着こなしができる配慮の一つなのだそうです。(詳細は、下記のリンク先の記事にて紹介)
素材だけじゃない、色やデザインだけじゃない、着る方の年齢や好み、心の奥底のコンプレックスまで、応えてくれそうな予感。
2年目のケイカラットの夏のファッションは、『アースカラーでリラックスルする夏』がテーマです。興味あるリンクを選んでください。(記事を書いたら、下記にリンクを貼っていきます。)
- 細く見えるスカートとパンツなのにウエストが楽ちん
タックススカートでありながら、すとーんした巻スカートっぽく見えるのが不思議。同一仕様で、光沢のあるスカートやパンツも紹介。より甘さを強調したAラインのフレアースカートは、どことなく大人の香りがします。その理由は、裾にあり。。。 - 二の腕をカバーして細く見せる服と女性の年齢との関係は微妙だ
二の腕が気になって、ついつい動作も小さくなりがちになる時ってあります。大人だったら、大胆に快活に振る舞いたい。このシャツなら、大丈夫だと思える2点です。 - 大人のジーンズとGジャンを50代女性が着るなら、頑張りすぎない
カジュアルだけど大人のフェミニンが伝わるデニムな服ワンパクだったあの頃に、タイムスリップできるにはわけがあります。動きやすい裁断とタックに、技を感じました。
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