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『おしゃべりな細胞たち』で、夢の医療が現実になることを知る

救急箱にiPS細胞のバンドエイドが入る日も近い

本日、読売新聞の朝刊の一面に、iPS細胞から作った心臓の筋肉細胞による、再生医療の記事がありました。心臓の筋肉細胞からつくった心筋シートを、患者に移植して心臓機能を回復させる臨床試験の検討が行われるそうです。

ちょうど、東京女子医科大学 大和雅之教授の『おしゃべりな細胞たち』を読んだ後だけに、見出しが目に飛び込んできます。実は、この内容は既にこの本の中に書かれていて、他の分野でもどんどん開発が行われているのです。 女性3人おしゃべり

『おしゃべりな細胞たち』は対談集

『おしゃべりな細胞たち』は、現状のiPS細胞の利用状況が書かれています。さらに、大和教授が各業界の著名人と対談をしながら、近い未来、どんな風に活用されるのかといったことをテーマにした対談内容です。

今回新聞に大きく報道されていますが、iPS細胞を活用した治療や試みは、様々な分野で行われています。

ゲストが、『こんな風にiPS細胞を活用すればよいのでは』というと、大和教授がすかさず『もう既にあるんですよ』という会話が何度かなされ、意外と実用化されてきていることにびっくりします。

iPS細胞技術を使った試みが、いろんな場面で使われている

本日の新聞にあった心筋シートも、既に、自分の細胞で作る細胞シートとして紹介されています。

怪我をした際に、バンドエイドを貼りますが、代わりに細胞シートを貼ることで瞬く間に、怪我を直すようになるかもしれません。

女性は、肌の再生を促進させるためにケミカルピーリング(肌表面をピーリング剤で少し剥がすこと)を行います。ケミカルピーリングを行った後に、細胞シートを使えば、より肌再生促進に繋がりそうです。

目、鼻、口の部分が開けられたシートパックに、細胞が配合されていれば、より綺麗になれるのにといった提案がありました。実用化されたら『直ぐに買いたい!』って心の底から思いましたよ。そりゃ、もう、10人中10人の女性は、そう答えるに決まっています。

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他、白髪や脱毛などと、あげていたらキリがないほど、悩みは沢山。あれもこれも直してくれる技術が早く出来ればよいのにと、考えますよね。

何故、iPS細胞が凄いのか!

この本は、iPS細胞の利用方法だけでなく、何故iPS細胞が良いのかといったことも、ちゃんと言及されています。今更、iPS細胞とは何かといった説明が必要な日本人はいませんが、iPS細胞と他の医療との違いとなると、知っている人は少なくなります。

通常、病気をして処方される薬のほどんとは、症状を抑えるだけです。癌はメスで切りとるだけで、切りとられた組織が薬で作られる訳ではありません。でも、iPS細胞で組織を作り出すことができれば、完治となるわけです。

通常、病気をしてよく効く薬のほとんどは、裏腹に副作用があります。でも、iPS細胞は、自分の細胞かもしくは適合性の高い細胞を使うために、副作用の心配は少なくなります。といっても、癌になりやすいといった情報もありますが、理論上は人間のものをそのまま入れるわけですので、副作用はゼロなわけです。

ES細胞とiPS細胞の違いとは

ES細胞の存在は、スタップ細胞論文不正事件で知ったと言う方は多いはずです。

ES細胞が受精卵であるために、受け取る感情が違う事とか、そうしたあまりよくない感情もあります。『倫理的にどうとか』って、何かの記事で読みましたが、その論理の矛盾点まで、書かれています。

小さな細胞を巡って、世論はまちまちだったりするのです。そんな細胞にまつわる、世間話的な事まで知り、ちょっと博学になった気分になれました。

思わず医療技術に口を挟みたくなる本ね

医療技術って、国家資格の医師免許をとった医師だけが語れるものってイメージがあったけど、iPS細胞が現れてからは違ってきています。

普通の人も、夢が語れるのではと思えるほど、分かりやすく細胞のことがあれこれと書かれています。医療現場に、口を挟める快感を味わう事ができる一冊となっています。

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