目で涼を感じるなんて今どき風流ね
汗と暑さで気が滅入りながら、やっとたどり着いた我が家で、青いバラが出迎えたら涼しい気分になれそうです。毎月届くハーバリウムの今回は、青いバラと真っ白いマムでした。まさしくジャストタイミングで、涼を感じる花といったところです。
青は寒色だから涼を感じるのですが、夏の風物詩の中で青色のものは、浴衣やラムネのビー玉、アジサイなどで、そう多くはありません。でも、いずれのアイテムも、青の印象が強いですよね。
昔の夏座敷を真似れば豊かな気持ちに
私が子供の頃は涼を感じるために、各家庭で思い思いに夏座敷を整えていきました。花ござ、青すだれ、よしず、夏座布団、うちわ、風鈴、籐椅子、豚の蚊取り線香などが出そろうと、今年も暑い夏がやってくると実感したものです。
エアコンが当たり前の生活になり、家の中の装いも変わりました。暑さを感じるのはエアコンをきる深夜のみ。ここ1~2年は『深夜もエアコンをかけましょう』との気象庁の呼び掛けに、1日中室内は快適です。寝具やルームウェアは、わざわざ涼しい気分を盛り上げなくても、優秀な冷感素材の繊維が良く働いてくれています。
それでも、外は灼熱。帰宅した家族が『おっ、涼しげでいいねぇ~』なんて言えるアイテムがあると、気持ちも豊かになるというものです。古き良き時代は戻らないけど、季節に配慮した心配りは、仕事で疲れた心に響きます。
元々、透明なオイルで光をコントロールさせて飾るハーバリウムは、滅入った気分をさわやかにさせる絶好のアイテム。今回セットのふんわりと優しいブルーと、気分を明るくさせる黄色のアジサイのガクの組み合わせも、初夏にぴったり。
ブルーのバラが真っ先に目につくように
下の写真の花材を使って、デザインをイメージします。
今回特に気を配ったことは、アジサイのガクや花びらが折れていたら、丁寧にのばしておきました。こうした、細かなことが仕上がりに大きくかかわってくることがわかってきたからです。
私が考えたデザインは、ブルーのバラが真っ先に目に入るように真ん中にします。上部は光が吸収しやすいように、白いマムを置きます。下へ行くほど暗めにシックにさせて、落ち着いた感じにしてみました。海水に潜ったとき、海面の色が変化するように、徐々に暗くなっていくイメージです。さらに夏といっても、はしゃいだ雰囲気にしないように注意します。
黄色のガクを入れる前です。上品でシック、しかも涼しげですね。
青いバラをマムを入れると、一気にプレミアム感があがります。
黄色のガクで、青いバラを引き立てます。完成です。黄色のガクが下の青いバラも押し下げてしまっています。
バラの花を斜めに置き、花びらの重なりが良く見えるように調節してみます。そうすると、瓶の前と後ろからの景色がはっきりと分かれて、裏側は少し殺風景になりました。
バラの花をまっすぐにたて、どちらの側からもきれいに見せるには、光を妨げる黄色のガクを入れない方が良かったかもしれないと感じています。ちょっぴり後悔!
どうしても、届けられた花材全てを使おうとする貧乏根性がいけません。次回から、もう少しイメージを膨らませて、自信をもってチャレンジしなければと反省しました。
でも、涼を感じられるハーバリウムで大成功です。今回も良かった!!
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