バラの歴史や品種に興味がわいた
毎年平塚市の県立花菜ガーデンでは、毎年ローズフェスティバルが開催されています。園内の面積は約92,000㎡で、東京ドームで換算すれば約2個分の広さの敷地です。ここの一角にフラワーゾーンがあり、様々なバラが植えられています。

開催は年に2回。
- 春:4月下旬~6月上旬
- 秋:10月上旬~11月下旬
昨年5月に広い敷地内を散歩しながら、フラワーゾーンのバラを撮影してきました。

花菜ガーデンの正式名称は、『神奈川県立花と緑のふれあいセンター』。神奈川県農業総合研究所の跡地を利用して作られました。神奈川県との契約に基づくPFI事業で、株式会社かながわGAパートナーズが運営しています。かながわGAパートナーズとは、東京ディズニーリゾート内の植栽や造園、維持管理を手がける子会社のなのですよ。
花菜ガーデンのバラの見どころは
野生種から現代の品種まで約1,300品種、2,600株以上のバラが栽培されています。品種改良の歴史をたどるメインエリア「薔薇の轍(わだち)」を中心に、オールド・ローズやモダン・ローズなど多彩な分類のバラを見ることができます。
歴史で分類
バラの歴史と品種を理解すれば楽しみ方も倍増できます。
オールドローズ
8世紀から20世紀初頭の間のつる性の品種群です。その多くは一季咲きですが、花付きの良さ、香りの高さ、枝ぶりが整いやすいことから現代でも育てられる方は大勢おります。
かの有名なフランス皇帝ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌが、庭園に大量にコレクションを育てたことから流行したとされています。
モダンローズ
1867年にフランスで「ラ・フランス」が誕生をきっかけに、20世紀全般に世界中で大流行しました。
春から秋まで繰り返し咲き続ける四季咲き、大輪です。オールドローズでは見られなかった、華やかな色、艶やかな黄色、燃えるような赤、青、紫など色味も豊富にあります。様々な樹形がありますが、支柱の必要はなく自立した木立性が大半です。
フランスやドイツなどは数多くの品種を改良した、世界的名門育種会社の名があります。後に写真で紹介する、ハイブリッド・ティーやフロリバンダ系はここに含まれます。
イングリッシュローズ
1961年、英国の育種家デビッド・オースチンが、オールド・ローズとモダン・ローズのいいとこどりをした品種を作り出します。イングリッシュ・ローズと呼ばれるのです。オールド・ローズの香りの高さと、モダン・ローズの四季咲き、多彩な色を受け継ぐバラの両方を兼ね備えています。
ところが最初は人々に受け入れられませんでしたが、1980年ごろから人気が出始め20世紀末には一大ブームを引き起こします。
ピエール・ドゥ・ロンサールなどが有名ですし、今でもバラの愛好家たちの間では人気が高いですね。
樹形で分類
歴史や品種とは異なり、樹形でバラを分類する方法もあります。住宅地を歩いていると、目を見張らんばかりに壁面にバラのつるを這わせている光景を見ることがあります。つる性のバラは、昨今人気が高いですよね。
プッシュローズ(木立性)
支えがなくても自分で真っ直ぐ自立して育つバラです。
ランブラローズ(つる性のバラ)
19世紀末から20世紀初頭(1900年前後)に、ノイバラやテリハノイバラなどの野生の原種をもとに交配されて作られました。日本からテリハノイバラなどが欧米に渡り、それらを交配親としてアメリカやヨーロッパでも流行していきます。
2~3センチの小輪で春だけ咲く「一季咲き」で、1シーズンで枝が数メートルも伸ばすほど旺盛な伸長力を持っています。
クライミングローズ(つる性のバラ)
成り立ちは2つあります。最初からつるを伸ばす性質を持つように交配・作出されたもの、プッシュローズのバラからの突然変異(枝変わり)によってつくられたものがあります。
ランブラーローズとの違いは、枝の伸びが短く、花は中輪〜大輪で四季咲きになります。
シュラブローズ(半つる性のバラ)
イングリッシュローズの品種の中から分類された、「シュラブ(半つる性・低木)」の樹形を持つバラです。もっとも、イングリッシュローズのほとんどは、木立性とつる性の中間のシュラブといってもよいでしょう。
シュラブローズは花色も豊富で、小輪から大輪まであり、強い香りを楽しめるタイプもあります。四季咲きや返り咲き性を持つ品種も多数あります。20世紀後半には日本でもシュラブローズの品種が生み出されていきます。
キューンときたバラを分類してみると
例によって例のごとく、私がキューンときたバラたちを紹介してみます。
ローズマインドふくやま
ローズマインドふくやまは、モダンローズに分類されます。広島県福山市の市制施行100周年(2016年)を記念して誕生した白色の大輪のバラです。有名品種「アイスバーグ」などを交配して作られ、カップ咲きの上品な姿をしています。

トランクウィリティー
トランクウィリティー(Tranquillity)は、イギリスのデビッド・オースチンが2012年に作出したイングリッシュローズ(シュラブ系)です。美しい純白のロゼット咲きと、トゲが少なく育てやすい強健な性質が特徴の人気品種です。

ニコロ・バガニーニ
ニコロ・パガニーニ(Niccolo Paganini)」は、鮮やかな赤紅色の花を咲かせるフロリバンダ系統のモダンローズです。1993年にフランスのメイアン社が作出しました。19世紀のイタリアの天才ヴァイオリニストにちなんで名付けられました。

ラ・レーヌ・ヴィクトリア
ラ・レーヌ・ヴィクトリア(La Reine Victoria)は、1872年にフランスで作出された歴史あるオールドローズ(ブルボン・ローズ系)の名花です。イギリスのヴィクトリア女王に捧げられた気品あるバラで、ラベンダー色を帯びた美しいピンクのカップ咲きと、強い甘い芳香が特徴です。

つる八女津姫(つるやめつひめ)
つる八女津姫(つるやめつひめ)は、別名「レンゲローズ」として親しまれる蓮華に似た小輪花を咲かせます。シュラブローズに分類され、行灯仕立てやフェンスなどに這うように群れを成して覆います。
花の色が季節によって変化していく四季咲き性で5月から11月まで連続開花していきます。直径約2cmの小花でミニつるバラです。

オスカル・フランソワ
モダン・ローズの中では最も古いされる、四季咲き大輪系(ハイブリッド・ティー)のバラです。フランスのメイアン社によって生み出されました。
整った直立性の樹形 樹高約1.5mが、澄み切った白いバラを凛々しく演出し、まさに漫画『ベルサイユのバラ』の主人公オスカル・フランソアを連想させます。

メモリアルディ
2001年にアメリカのトム・カラスによって作られた、四季咲き大輪系(ハイブリッド・ティー)のバラです。愛らしいラベンダーピンクの花色と、ダマスク系の強い香りを持っています。

コティヨン
1999年にアメリカで作られた、房状に中輪の花をつける四季咲きの品種(フロリバンダ系)のバラです。
樹高は約1.0〜1.4mほどの半直立性で、花の色はラベンダーピンク〜ソフトラベンダー色、丸弁八重カップ咲きになります。

チェッピーチェイス
ランブラローズの一種です。深紅の小輪が一面に広がり、ゴージャスですね。

シャリファ アスマ
四季咲き・直立性または半直立性のシュラブのイングリッシュローズです。 花色は淡いピンクから中心に向かって濃いピンクになるグラデーション、ダマスクローズティーとハーブが混ざる香りがします。

チャペックの家と庭
一通りバラを鑑賞した後、そのまま散歩を続けると色々な景色を見ることができます。
世界中の園芸家に愛されている、カルル・チャペックの著書『園芸家の12カ月』に描かれた庭の風景、植物を参考に再現したガーデンを見つけました。

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