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本の読み方次第で東大合格を左右するって本当?

東大入学は楽じゃない

西岡壱誠さんの『東大読書』を読んでみました。ズバリ、偏差値35の著者が2浪の後、本の読み方を変えただけで劇的に学力(?)が伸び、東大に合格した方法だそうです。本の正式名称は『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』。東京大学赤門前の交差点

著者の他の著書をタイトルを幾分省略しながらあげてみると、『東大作文』、『現役東大生の教養講座』、『東大生の本棚』、『東大生が教えるテスト術』、『現役東大生が教える暗記術』、『東大ドリル』、『東大式習慣』、『現役東大生が選ぶ読むべき100冊』、『現役東大生が教えるへんな問題の解き方』などなど。徹底的に、東大のてんこ盛りです。

著者が本の読み方にこだわったのは、東大試験は暗記や教科書の内容を応用するだけでは、合格しないことに気がついたからだそうです。でもねぇ~、偏差値35となると読む力や地頭力以前の問題で、基礎学力的にどうなの?と疑問に感じます。東大以前にセンター試験を勝ち抜く必要があり、偏差値35の人が読書だけで東大合格はあり得ないでしょう。

しかし、この本はベストセラーですし、アマゾンでは148件ものカスタマーレビューが書かれています。多くの人が感じている東大のブランド力。そのブランド力をフル活用して、見事にベストセラー作家になった著者は、本の題名どおり地頭力のある方といえます。

紹介している本が魅力

東大読書は、本の読み方を主題としているだけに、本の紹介を39冊超をあげています。著者は経済学部の現役東大学生だからでしょうか?分野は政治、経済、心理学、哲学、文章の書き方などのノウハウ本です。私の好きな、文学や推理小説はありません。が、全ての本をメモしたほど読みたくなりましたし、私の周囲に人からは教えてもらえそうにない本ばかりでした。

東大読書で一番の魅力は、紹介している本です。

本の紹介はいずれも欄外で、本文との関連性があやふやです。分野もバラバラで、何故ここにこの本が紹介されているのか意味不明。本の読み方を紹介するなら、紹介している本と、著書の主題を噛み合わせてもらいたかった。

ふむふむ、なるほど。もともと著者は読書家だったと考えると、全てのつじつまが合います。学力のない方多くは、国語力が弱いものです。全ての科目の基本は国語だと、かつての会社の同僚が言っていましたが賛成です。相反する理数系であっても、問題の意図を正確に理解するためにはやはり国語力が必要です。

この著者はもともと、読書家で国語力があった!つまり、基礎の基礎である国語力は十分だったと想像します。同じ偏差値35でも読書家の偏差値35ならば、東大読書を読めば東大合格もあり得ると明記するべきです。でないと、偏差値35のすべての方がこの本を通りに行えば、東大に合格できると錯覚してしまいます。

嫌みな書き方になりましたが言いたかったのは、本の読み方を習得しただけでは、東大の現実は厳しいはずです。

本の読み方の発想が面白い

著書にある本の読み方は、東大生ならではと思えるほど、細かく段階を追って書かれています。本の読み方だけで、これだけ多くの文章を書けるのだと感心しました。しかも、読み方の発想が面白く、目の付け所にニンマリ。

本を読み始める前のワンステップ

著者は、本を読み始める前段階を重視しています。まず、目の前の本に何が書かれているのか、本の帯や表紙に書かれている内容から、仮説を立てます。これは誰しも経験があるはず。文章だけを渡されて読むのと、文章の要約を数十秒足らずであっても説明されてから読むのでは、理解のスピードが全然違います。

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さらに、仮説したとおりの論理展開であれば、既に頭の中にある論理なので、読むスピードが加速します。仮説通りでなければ、どうして間違えたのか注意深く丁寧に読み、新しい発見が得られます。こんな誰もが知っている単純なことですが、こうしてルール化するだけで、本の理解度を高められるんですね。

本の理解度を高める方法に他の人の書評を読むとか、読解力を身に着ける訓練もありますが、著書では着眼していません。あれこれ書かずに、帯や表示から推測するとしたところが、シンプルで鋭いです。

本の読み方のパターン

本の読み方のパターンを、次々に挙げています。『取材読み』、『質問読み』、『追及読み』、『整理読み』、『要約読み』、『推測読み』、『検証読み』、『パラレル読み』、『クロス読み』、『議論読み』と続きます。

私が面白いと感じたのは、『要約読み』と『パラレル読み』で、他は各々その読み方とその効果について、事細かく書かれていましたが、全く頭に入ってきませんでした。どういった本で取材読みなのか、検証読みなのか、イメージが浮かばないのです。

本の読み方は、職業や立場、目的によって異なるものです。東大合格を目的とするこれらの読み方は、東大入試の『多面的な思考力』と、『多角的なものの考え方』に合わせた内容ということなのでしょう。『本を読むという行為をこれだけ多くの視点から行いなさい』ということなのでしょう。

東大入試は楽じゃないのね。

文学書を読みふけって涙を流している我が身とは違い、こんなに多くのことを考えながら本を読まなければならない東大志願者はちょっぴり気の毒と感じます。

要約読み

要約読みは実行してみようと思いました。本の主題をずばり一言でまとめる方法です。現在の私たちの環境は、新聞、雑誌、インターネットと多くのメディアで、文章に触れています。選択肢が多いなかで、常に何が書いてあるのか一言でまとめていかなければ、単なる洪水の渦の中です。

著者が要約読みを勧める理由は、東大の英語の要約問題で、『1500ワード程度の英文を、50~60字の日本語で書き表せ』というものがあるためです。他の科目でも、文字数制限が厳しい問題があり、少ない文字数で自分の考えや人の意見をまとめることで、理解度が判断されるからだそうです。

入試と縁のない年代の私が別の意味で、著者と意見があった瞬間です。そして、本の読み方って年齢や職業などによって、色々あるって悟った瞬間でもあります。

パラレル読み

パラレル読みは、その昔会社の後輩がやっておりました。後輩には理由を聞きませんでしたが、二冊の本を同時に読み進める方法です。別の切り口から物事を見られる目を養うとあります。

著者は二冊の本で同じ主張を見つけるのが醍醐味とありました。

『多面的な思考力』と、『多角的なものの考え方』を習得しなければならない、受験生の苦しみを知った瞬間です。やっぱり大変ですね。色々、嫌みなこと書いたけど、東大志願者の指針になるといいですよね。

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