掃除機を使う状況に合わせた基準値
先日のエレクトロラック新製品発表会で、掃除機の吸入仕事率(或いは、吸引仕事率とも言う)とダストピックアップ率の違いを図解入りで説明していました。(当記事では、エレクトロラック社の資料を引用させてもらっています。)
注目される2つの基準値はどちらも公のもの
元々は吸入仕事率は、日本電機工業会規格が定める「JEM 1454」という規格によって測定方法が定められたものであり、掃除機のカタログに必ず記載してあります。その為、掃除機の性能を決める客観的な信頼できる数値として、多くの人は信じているはずです。
ところが、ダイソンを始め外国の掃除機メーカーは、吸入仕事率だけでは掃除機の正確な性能を判断しえないとして、ダストピックアップ率をいう基準を強調し始めています。
ダストピックアップ率も国際電気標準会議(IEC)で、測定方法を定めています。日本においても、日本工業規格(JIS)が、「家庭用電気掃除機の性能測定方法(JIS C9802)」という規格で「じんあい除去能力」という呼び名で、測定方法を定めています。
掃除機の吸入仕事率の弱点は何?
では、何故、吸入仕事率では、充分に掃除機の性能を判断することができないのでしょう?それは、測定方法にあります。
下記の図にあるように、床と平行に掃除機を置き、ホースも一直線に伸ばし床と平行の状態にします。パワーブラシなどがついたヘッドを取り外して、空気の流れと掃除機内の真空率を測定をする方法です。
でも、考えてみてください。実際の使用するときは、ホースは円弧を描き、ヘッドを床に設置して、空気と一緒に埃・ゴミも取り込んでいるはずです。
この測定方法だと、ヘッドの性能や、埃やゴミによるフィルターの目詰まりなどの考慮はありません。掃除機に取り付けられている、全ての部品が各々の役割をなしているのに、掃除機の一部分だけを使って測定しています。
吸入仕事率(吸引仕事率)の算出式は下記のとおり。吸い込んだ空気の量と圧力と定数をかけて、ワット(W)で表したものです。
- 吸込仕事率=0.01666×風量(立方m/min)×真空度(Pa)真空度は、ゴミを浮き上がらせる力風量は、浮き上がらせたゴミを運ぶのに必要な力
ダストピックアップ率とは
一方、ダストピックアップ率は、掃除機全体を使用して、実際にゴミを吸わせて除去したゴミの量をパーセント(%)で表したものです。掃除機を使用する環境は、一般家庭を想定しているといいます。
この場合、吸い取るゴミの種類や、吸い取る際の床の材質など、現実には色々あります。まだまだ、掃除機の性能を測定する上で、全ての条件を網羅しているとは限りません。しかし、吸入仕事率よりは、現実的な基準値であることは分かります。
エルゴラピードと他社のでダストピックアップ率を比較
エルゴラピードのダストピックアップ率の測定値が、発表会のスクリーンに表示されました。
従来、コードレスは掃除のしやすさにおいては、魅力的 でありましたが、思うように埃やゴミが取れないと言うのが、一般的でした。
重い掃除機を、わざわざ、クローゼットの中から取り出して、コンセントを差し込み、ホースやヘッドをセッティングするといわずらわしい作業があっても、キャニスター型の掃除機を使っていたはずです。
ひと言でいうと『吸い取りが悪い』のです。
下記の表を見てもらうと分かりますが、エレクトロラック社の2機種とも、他社のものとひけをとらない値を出しています。ことに、フローリングに関しては、エルゴパワーはトップです。注)下記のエルゴパワーとエルゴラピードはいずれも、新製品・最新モデルでの測定結果となっています。
製品 | タイプ | ダストピックアップ率カーベット | ダストピックアップ率フローリング |
エルゴパワー・プラス | コードレス | 60.0% | 98.0% |
ダイソンDC45NH | コードレス | 56.4% | 82.0% |
一般的なキャニスター | コード付き | 48.1% | 91.3% |
エルゴラピード・プラスリチーム電池 | コードレス | 46.0% | 98.0% |
パナソニックMC-SU210J-K | コード付き | 40.4% | 92.2% |
T-FALTY8433 84 | コードレス | 17.6% | 85.8% |
山善ZC-SP961D | コードレス | 14.4% | 67.2% |
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