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超音波を知れば安心して使える
困った時に解決をしてくれる新製品への対応は人によって違います。とりあえず飛びついてしまう人、半信半疑で効果や副作用を不安視してやめる人と、徹底的に調べて良かったら買う人などなどです。
超音波で動物を追い払う機械は、まだまだ認知度は低く半信半疑ながらも購入してみることにしました。
1カ月ほど使ってみて、姉から不安の声を聞き「大丈夫」と自信を持って言えませんでした。姉にとっては高さ15センチほどの薄緑色の機械を、化学兵器のようにでも見えるようです。
超音波発生器での不安点は、安全性と近隣迷惑になっていないかどうかです。
超音波発生器を購入する前に、その仕組みについて、十分に調べておくべきだったと反省しながら記事にまとめてみました。
日常の目に見えないものへの不安
世の中は便利になり、日常的に目に見えないものへの不安が増えました。意図的に、嫌がらせに使う輩もいるそうです。健康面で影響ありとされているのは、携帯やソーラー発電機から発生する電磁波、 空調機やエアコンの室外機などから発生する低周波音です。いずれも日常的どこにでも存在するものですが、じわじわと人体への影響が注目されています。
超音波、電磁波、低周波音などが、現在日常目に見えないものの不安となるのでしょうか?
電磁波は、電界と磁界を持ち真空でも伝わります。超音波と低周波音は音波とよばれる波動で物を振動させながら、周囲に音を伝えていきます。スピーカーを思い出すと分かりやすいですね。電磁波はアンテナで遠くまで飛ばすことができますが、超音波や低周波音は物がなければ伝わりません。
超音波の安全性
音は、【高さ・強さ・音色】によって作られています。
超音波発生器の安全面では、高さと強さが心配です。音の高さは空気中を移動するときの振動数で、1秒間の振動数を周波数(Hz)と呼んでいます。高周波であれば超音波と呼ばれていて、具体的には「キーン」という聴力検査のあの音です。
周波数は、低、中、高に分けられ、周波数が低いと低音になり、高いと高音になります。超音波は高周波のことを指しています。
- 低周波は、0.1Hz~1kHz
- 中周波は、1,000Hz~10kHz
- 高周波は、10kHz以上(超音波)
動物ごとに可聴音域が異なる
周波数の中で人間が聞くことができるのは、20Hzから20kHzです。動物の種類によっても聞き分けられる範囲があります。これを、可聴音域と呼びます。
- カエルは、50Hz~10kHz
- 人は、20Hz~20kHz
- 犬は、15Hz~50kHz
- 猫は、60Hz~65kHz
- イルカは、150Hz~150kHz
低周波音の中でも、人が聞くことができない20Hz以下の超低周波音は、地面などに振動として伝わり、窓や障子などをガタガタ揺さぶることがあります。こうした超低周波音は人の体に影響し、イライラや頭痛、不眠症を引き起こします。
一方超音波は、産婦人科や腹部の検査などで医療機器に使われています。家庭でも、電動歯ブラシ、超音波加湿器、超音波美顔器、超音波洗濯機などで使われていることから、比較的安全とされています。
年齢ごとに異なる可聴音域
人も幼児から24歳ぐらいまでは、超音波を聞くことができる敏感な人もいます。もし耳に入れば超高音で不愉快そのもので、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴などの症状につながります。超音波発生器をもし自宅に設置するなら、近くに子供がいないか、音域の広い人がいないかの確認は必要です。
個人差はありますが年齢ごとに聞こえる、おおよその可聴音域です。
- 特に聴力が弱くなければどの年代も聞こえるのは、8kHzまで
- 60歳まで聞こえるのは、10kHzまで
- 50歳まで聞こえるのは、12kHzまで
- 40歳まで聞こえるのは、15kHzまで
- 30歳まで聞こえるのは、16kHzまで
- 24歳まで聞こえるのは、17kHzまで
では、超音波が聞こえなければ健康上問題はないのかとなりますが、まだ、詳細は解明されていない部分もあるようですね。
音の強さの安全性
交通渋滞の激しい交差点などで、「騒音値を●●dB(デシベル)」と書かれた看板をみることがあります。その値が高ければ、人が感じる騒音は大きく、小さければ低くなります。
デジベルは音の強さです。
この騒音の感じ方は、周波数によっても異なります。人が聞くことができる可聴音域がありますし、周波数ごとに音の大きさは異なって聞こえるためです。交差点などにある看板は、1kHzの周波数を基準に補正した、音の強さを騒音として表示しています。
日常的な騒音の大きさの目安です。
- 120dbは、飛行機のエンジンの近く
- 110dbは、自動車のクラクション(2m)
- 100dbは、電車が通るときのガード下・ブレーカー(5m)
- 90dbは、犬の鳴き声(5m)、騒々しい工場の中、店内中央のカラオケ、ブルドーザー(5m)、アースドリル(5m)、コンプレッサー(1m)
- 80dbは、地下鉄の車内・電車の車内・ピアノ(1m)、布団たたき(1.5m)、麻雀牌をかき混ぜる音(1m)
- 70dbは、騒々しい事務所の中・騒々しい街頭・セミの鳴き声(2m)、やかんの沸騰音(1m)
- 60dbは、静かな乗用車・普通の会話・洗濯機(1m)、掃除機(1m)、テレビ(1m)、トイレ(洗浄音)
- 50dbは、静かな事務所、家庭用クーラー(室外機)、換気扇(1m)
- 40dbは、市内の深夜・図書館・静かな住宅地の昼
- 30dbは、郊外の深夜・ささやき声
人間の耳で聴きとれない超音波であった時、音の強さはどれくらいまでが安全なのでしょう。労働安全衛生法の観点から推奨されている超音波ガイドラインは、40kHz という高周波超音波では、105~115dBです。また、高周波聴力検査の結果では、耳の位置で120dBを聴いても聴力損失を引き起こさなかったそうです。
労働環境の基準値ですので、短時間ではなく、就業時間中に聞き続けていることを想定しているはずです。
猫の超音波発生器の多くは、猫が現れたことを赤外線で察知した間だけ、超音波を発生させています。労働安全衛生法とは違い、短時間なので体への影響度も小さいと想像できます。
私が購入した「ガーデンバリア」のホームページでは、次のように書かれていました。『WHO(世界保健機構)の調査によると20kHz、120dB 程度の空中超音波では、人間に影響が出た報告はない』と書かれていました。主要国では115dB以下での規制が行われていますが、ガーデンバリアは約105dBで抑えています。
超音波発生器が猫を追い返す仕組み
猫は耳が良く、数十メートル先の猫や犬の足音、鳥の飛ぶ音、屋根裏のネズミの鳴き声などを聞き分けられます。一方、苦手な音は沢山あり、掃除機の音、爆発音、ドライヤーの音、モーター音、男性の低くて大きい声などです。人間のくしゃみの音、手をたたく音キーボードをたたく音、スプーンなどの金属同士が触れ合う音なども苦手です。
先にあげた音は、人にも聞こえ、猫対策に使おうとすると近所迷惑になりかねません。人に聞こえにくい超音波発生器なら、どんなに強烈な音であっても近所迷惑になりません。
猫は縄張り意識の強い動物で、一度気に入ると1回や2回追い払わされても凝りません。訪れるたびに、嫌いな音を聞かせ続けて嫌な思いをさせて、学習してもらう必要があります。機械だからこそ文句も言わずに、猫の侵入を連日連夜監視をし続けて、猫の出現のタイミングで嫌がる音を発生できるのです。
超音波発生器に限らず多くの猫対策グッズは、継続して使い続けると猫が慣れて効き目が無くなります。超音波発生器も同じで、音に慣れてしまいます。周波数をランダムに変えて、超音波に慣れさせないようにする仕組みが機械の内部で自動的に行ってくれます。
電池を入れて、猫が糞尿をする場所に向けて置き、スイッチを入れるだけの対策です。これまで仕組みを順を追って書いてきましたが、確かに理解すれば不安な機械でもなさそうですね。
ガーデンバリアを選んだ理由
猫が嫌がる音を発生させる超音波発生器は、今や多くのメーカーが参入しています。私がユタカメイクのガーデンバリア ミニを選んだ理由は、公的機関の臨床実験を経て販売され、20年以上の販売実績があったことです。保健所でレンタルをしている市区町村もあるのだそうです。
効果がなければ返金もしてくれるそうですが、アマゾンを使えば5千円前後で購入できます。失敗しても、そう痛い金額でないことも気に入りました。
注)ガーデンバリアは、庭の広さや置く高さに応じて機種が分かれています。一般の家庭で利用するなら、ミニで十分だと思います。(詳しくはアマゾンのサイトで確認ください。)
- ミニ 25平方メートル
- GDX 作動角度が広い100平方メートル 平面型
- GDX-2 作動角度が広い100平方メートル 高所取り付け型
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