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萬古焼の急須で飲むお茶は渋みが少ない

湯冷ましの必要がないかもとニンマリ

萬古焼の急須を買いました。沸騰したお湯をそのまま淹れたのに、70℃より低めに湯冷まししたお湯のような味で、渋みが少なくまろやかです。うむ、もしかしたらこの急須を使えば、湯冷ましの手間は要らないかもとニンマリ。だた、ちょっと待ってください。しっかりとした味がお好みの方には、ちょっと物足りないかもしれません。

萬古焼の急須でお茶を飲みながら、ふと美味しいお茶についてあれこれと考えてみます。萬古焼の急須

萬古焼の急須について

萬古焼は、「ばんこやき」と読みます。三重県四日市市の菰野(こもの)町を中心に、100社の窯元があります。萬古焼で有名なのは土なべで、国内の約80%も占めています。萬古焼の土なべは、耐熱性に優れガスレンジや炭火などの空焚きや直火に対しても、割れることがないといわれています。

急須も土なべに負けずに、萬古焼の代表商品のひとつで、使えば使うほど味わいと光沢を増していきます。昭和54年に通商産業大臣(現在の経済産業省)指定の伝統的工芸品に、萬古焼の紫泥の急須は指定されています。

釉薬を使わずに焼き上げられる「焼締め」という製法で、つくられた急須はつるっとした質感ではなく、きめ細かな土の肌触りがあります。ザラザラ感があり、少し温かみを感じます。紫褐色の急須の色は、湯飲みに注がれた緑茶に映え、和風通な感じです。急須に茶渋がつくと味わいに深みが出て、磁器や釉薬の掛けられた絵付けのものとは違う、使い込む楽しみがあります。

写真の萬古焼の急須は、1200℃から1300度という高い温度で焼かれ、磁器のように硬く吸水性や気孔性がありません。焼き物の中で分類すると炻器(せっき)と呼ばれ、陶器と磁器の間です。吸水性がないので、茶葉の香りが付きにくく、茶葉を変えても美味しくいただけます。手触りや見た目からは香りを吸い込んで、違うお茶を飲むと味が混じる印象を持ちましたが、予想外でした。

鉄分が多い土を使っているために、お茶の渋みと呼ばれるタンニンの味が消えて、まろやかになります。萬古焼の急須ならではの特徴です。

美味しいお茶は淹れ方によって違ってくる

そもそも、何がお茶を美味しいと感じさせるのか、しみじみと考えてみます。確かにお茶の種類もあるでしょう。他に成分とお湯の温度と待ち時間、それに急須や湯飲みも一役買っています。

お茶が美味しいと感じる成分は

お茶の味は、主にアミノ酸、タンニン、カフェインによって決まります。お茶を入れた時に最も溶け出してくる(溶出量)が多い成分は、タンニン類、次いでアミノ酸、カフェインで、これらの成分が複雑に働き合って味が作られていきます。タンニンが強すぎると、アミノ酸のお茶独自の旨味が感じにくくなります。

それぞれの成分の味は次の通り。

アミノ酸類

アミノ酸の中でもテアニンは甘みと旨味、グルタミン酸は旨味と酸味。

タンニン類(お茶独自のカテキン)

タンニンの中でもエピカテキンは苦み、エピガロカテキンは苦み、エピカテキンガレートは渋みと苦み、エピガロカテキンガレートは渋みと苦み。

カフェイン

カフェインは、軽い苦み。

お湯の温度でも美味しさが異なる

お湯の温度によっても成分の溶け出し量が異なってきます。アミノ酸類は温度に関係なく溶け出しますが、カフェインは低温では溶け出しにくく高温で一気に溶け出します。タンニン類は、お湯の温度が高くなるにつれて溶け出します。

3つの成分をしっかり溶け出すためには、熱湯で淹れると強い味のお茶を楽しめます。

70℃のお湯では、アミノ酸、タンニン、カフェインがほどよく溶け出し、旨み・甘味、苦み、渋みのバランスの取れたお茶になります。

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ぬるめのお湯にすると、アミノ酸は溶け出し、カフェイン、タンニンは溶け出さないので、旨味・甘味の濃いお茶になります。

お茶の種類によって最も美味しいお湯の温度があり、きちんと守ると失敗がなくいただけます。上級の玉露茶は40℃という、低温なのもアミノ酸の甘みとうまみを味わうためのようです。具体的には次の通りです。後の章で説明しました待ち時間についても、参考までに記載しています。

玉露

お湯の温度は50℃で、待ち時間は2分30秒。

上級煎茶

お湯の温度は70℃で、待ち時間は2分。

中級煎茶

お湯の温度は90℃で、待ち時間は1分。

番茶・ほうじ茶

お湯の温度は熱湯で、待ち時間は30秒。

急須もお茶の味に一役

ティバックで淹れたお茶と、急須で淹れたお茶との味の違いはすぐに分かります。急須の中で茶葉が広がり、湯の中で茶葉が移動することでお茶の風味が増すようです。

紅茶でも、鮮度の高い茶葉はジャンピングが起きるといわれていますが、ポットの中で茶葉が移動すればするほど美味しいのですね。

最初に書きましたが、萬古焼の土の成分に多く含まれる鉄分がタンニンを吸収しやすくするために、萬古焼の急須はタンニンの味を抑えてくれます。

待ち時間

急須にお湯を入れて、お茶の成分を溶け出させることを「浸出」といいます。お茶の種類やお湯の温度によって、浸出する時間は異なります。日常生活では、急須の中の葉の広がり方を観察して、そのお茶の待ち時間を無意識に決めています。

一般には、熱いお湯の時は短め、湯冷まししたお湯だと長めに浸出します。

萬古焼の急須は時短用だった

渋みの少ないまろやかなお茶を飲むためには、熱湯を湯冷まししてじっくりと急須の中で蒸らします。しかし、現代人はどうでしょう。忙しい!!電気ポットで沸かした湯を、一気に急須に入れて一気に湯飲みに流し込んでいるのは、私だけではないはずです。(あれ、私、もしかして駄目かも。。。)

萬古焼に使われる土には鉄が含まれ、お茶の中のタンニンと結びつき急須に吸着します。吸着したこれらの成分が急須に独特の味わいを生み出し、長年使い続けるのが良いとされています。適度に失われたタンニンのおかげで、渋みが適度に軽減されます。

例え、熱湯を注いだとしても、アミノ酸とカフェインはしっかりとお湯に溶け出し、渋みは抑えてもらえます。

使っているうちに70℃にするための湯冷ましや、待ち時間なくして、一気に美味しいお茶が飲める利点に気が付きました。

そうか、萬古焼の急須は時短だったのだと納得。

萬古焼の急須を、多くのクリエーターが出品しているCreemaで購入しましたが、南景製陶園の商品なのだそうです。南景製陶園のサイトを覗いてみると価格は同じで、Creemaの方が、決済できる種類がちょっと多いようですね。私はいつも利用している、Creemaで購入してみました。

共茶漉し

紹介している急須の茶こしは、共茶漉しといって、急須の中に本体と同じ陶製で茶こしがついています。職人がひとつひとつ手作業で穴を空けた手の込んだもので、金気を感じることなくお茶を飲むことができます。萬古焼の急須の共茶漉し

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