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芍薬はより大きな感謝を伝えられる
花にもTPOがあって、お祝いの花、プロポーズの花、イベントを賑わす花、そして感謝の花と続きます。こう考えるとTPOのTである時間は、贈るシーンです。贈る側の想いも、強引ですがTです。贈る場所は自宅で、持ち帰る手間がないのでサイズや重さを気遣う必要はありません。TPOのOは、occasion(状況)で、母の日の場合は、贈られる母親の年齢や性格、好みといったところでしょうか?

母の日のTPOの代表花は、書くまでもなくカーネーション。
贈る側の想いは感謝だと言い張るなら、芍薬を上げたくなります。開花後に開いた花の大きさは、そのまま感謝の大きさを連想しますし、くしゃくしゃっとした柔らかい花びらが謙虚な気持ちを表します。大きいのに、偉そうにみえないからです。目の上の人に偉ぶることなくストレートに感謝の気持ちが、伝わりやすいですね。
イイハナでは、毎年『芍薬美人』と呼ばれる花束を、母の日に出します。『芍薬美人』は、上位の人気を他の花束に譲りません。常に花の種類が変わることなく、芍薬、カーネーション、スプレーカーネーション、アルストロメリア(ユリに似ている)、ドラセナ(周囲の緑の葉)で、構成されています。
芍薬を感謝の花と感じる理由を深堀り
何故、芍薬が感謝の花だと感じるのかと聞かれれば、他のイベントを思い起こせばはっきりしてきます。
プロポーズや企業が行う新作発表会には、芍薬は使われません。プロポーズは、キューピットが持つ矢が象徴するように、相手のハートを射抜くものです。ふんわりとした芍薬では、力強さにかけます。では、新作発表会がどうかととなれば、同じ、興味津々の来場者のハートを、わしづかみにする強さがなければなりません。バラやガーベラのような強さのある花が、選ばれる理由となります。
バラにハートを射抜いたりわしづかみにする作用があるとすれば、芍薬はハートを包み込み温める働きがあります。子育て中、我が子に惜しみない愛情を降りそそいで、童話の『幸福な王子』のように身を削り続けた母の心を癒します。ふんわりとした柔らかそうな花が安らぎを、ボリュームのある花が使い続けたハートを癒すのです。
同じ花種を詰め込んだ花束でも微妙に違う
芍薬美人は、毎年、花種の構成とラッピングがほぼ同じなのに、微妙な詰め方で受ける印象が違うことに気が付きました。芍薬や他の花の開花状況とか、隣の花とのバランス、ラッピングの花の位置などで変わってきます。
担当者も意識していないかもしれませんが、こんな花束の楽しみ方もあるのかと、比較したくなりました。2015年から芍薬の花束の印象の違いを、チェックしてみました。
2015年の芍薬美人
グラデーションのかかったバラや、カーネーションのピンクが鮮やかです。この時は、主役の芍薬がぼんやり。中央にある芍薬から、優しいふんわり感を、ストレートに伝えられました。

2016年の芍薬美人
アルストロメリアの柄に視線がとられて、幾分、はしゃいでいる気分になります。2015年度と比べて、芍薬を外側にあるのでふんわりとハートが包み込まれます。

2017年の芍薬美人
他の花以上に芍薬の開花が進んでいて、ゴージャス感があります。2016年に気になったアルストロメリアも、芍薬が大きく開花して気になりません。
ラッピングの外側に、溢れんばかりに花束が出ていて、よりボリューム感を感じさせる花束となりました。この花束を受け取った母は、大きな感謝を感じられるはずです。

2018年の芍薬美人
バラとカーネーションを包み込むように芍薬を並べ、全体的に柔らかさを強調しています。芍薬のピンク色が、例年より明るく感じられて、『ほっと母のハートを温めてください』って、お願いしたくなりました。

芍薬の楽しみ方はもうひとつ
ボリュームがあるのに威圧感がない芍薬は、感謝を伝える花であるといいましたが、もうひとつ楽しみ方があります。『立てば芍薬』の言葉から分かるように、その伸びた茎は、凛としてまっすぐに伸びています。アレンジメントとは違い、長い茎を残す花束にするのは、生ける楽しみがあるからです。
1本でも迫力があるので、小分けして1輪差しでも、庭にある木や植物を添えても気品を保ってくれます。
もちろん、花束の構成のまま花瓶に生けるのもよいでしょう。茎を短く切って、コップやワイングラスに置くのも可愛いかもしれません。
母の日は、日曜日ですので、働いているお母様であっても時間の余裕があります。日曜日がお休みでないなら、イイハナでは配達日を指定して届けてもらうことができます。お母さんがゆっくりとくつろげる日を選んで、花器選びや生ける時間も気配りしたいところです。
芍薬はつぼみで届けられます。大きく膨らんだつぼみが、ジワジワと開いていく様を毎日眺めていく時間も楽しみの一つとなります。
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