スポンサードリンク

動物から見た人間の姿にドキリ

日常生活にピリッとスパイスを

2019年にフジテレビで放送された『絶対正義』は、正義感の強い主人公が周囲の人に規律や法律を是が非でも守らせ続ける話です。「何もそこまでしなくても」とため息が出るほど、違反した人を追及していきます。臨機応変とか常識という言葉を無視し、友人だけでなく教師にまで制裁を加えます。ついには友人に疎んじられ、殺害を企てられてしまうのです。

規則という物差しは同じはずなのに、扱う人によって凶器になると考えて、背筋が寒くなったドラマでした。

規則は見方を変えれば凶器になる、日常生活も視点を変えると意外なものが見えてきます。もし、視点が人間ではなく動物の視点であれば、それはそれで斬新です。

北極クマの視点にドキッとさせられる

多和田葉子さん著の『雪の練習生』は、人に育てられた北極クマの内面の声を綴ったものです。人間の痛いところ、なぁなぁで誤魔化していたところをズケっと書いています。辛辣です。

例えば。

北極クマの曲芸

微笑み

『微笑みは人間が顔にのせる表情のうちで最も信用できないものの一つだということが分かってきた。人は自分の寛大さを売りつけ、相手を安心させて操作するために微笑む。』とつぶやいたのは、サーカスで人に調教される花形スターの北極クマです。

この北極クマはサーカスで芸を披露するため、調教する人の微笑みは見慣れたものだし、こうした感想はクマの立場からすれば当たり前と言えば当たり前です。しかし、不思議と自分自身に思い当たる節があり、ドキッさせられませんか?

スポンサードリンク

群れる

人間は一人では生きていけないし、群れることで沢山の大きな事業を成し遂げてきました。ひとたび北極クマの視点で見るとひどく生々しく感じられ、群れることは理性で制御するのではなく本能的なことだと知るのです。

『犬は仲間がいなくなると、狂ったように吠えて捜す。気持ちが優しいからではない。群れがばらばらになると生き残れないから、必死でまとまって生きようとするのだそうだ。わたしはどちらかというと一人で生きようとする。エゴイストだからではなく、その方が餌が得やすくて合理的だからだ。』

ふと。群れなければ本音が語れない人と、重ねてしまうのは私だけ。。。かな?

時間

時間に縛られていると思うのは、人間だけです。北極クマが時間を感じる場合、大好きな飼育員を待つ間にだけです。飼育員と過ごす楽しい時は、時間はないとまで思っています。北極クマにとって時間とは、苦痛な時のみに現れるようです。

北極クマは苦痛な時間を、無くしたがっています。時間を食べ物のようにガツガツと食べれば消えるのか、噛みついたり引っ搔いたりしてもびくともしない孤独の塊でしかないと言っているのです。

ならば人間が時間に縛られていると感じている瞬間は、苦痛な時となるのでしょうか?北極クマには不必要な時間ですが、人は逆に大切にしています。「大切な時間をとられれた」「時間がもっと欲しい」とよく口にして、時間に追われながら生活をしているのです。

時間って何だろうって、口に出ましたが、回答が分かりませんでした。

スポンサードリンク