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中古住宅をリノベーションするなら

ブームに踊らされずにリスクを知る

雑誌に載っているようなこじゃれた持ち家を新築しようと思っても、お財布に叱られるのが関の山です。普通のサラリーマンであれば、注文住宅で望み通りの設計で建てるのは夢のまた夢。建築建材や広さ、間取りも予算と照らし合わせながら、妥協しながら建てるというのが現実でしょう。

立地条件も都内や東京に隣接するベットタウンを望めば、広くて日当たり良好なところはほとんどありません。多くの狭小住宅が並ぶ街並みをみれば、一目瞭然です。

中古住宅の再利用は社会的に意義がある

昨今ブームであるリノベーション住宅は、中古の住居を改造して夢だった雑誌のようなおしゃれな生活を実現する手段です。家の基礎や土台、柱を再利用して、建築費を浮かせた分で、贅沢な改修が期待できます。

確かに住宅街をちょっと散歩すれば、まだ住めそうな空き家の1件や2件は見つけられます。子育て世代はどんどん減少し、子供が独立した後広い家を手放して、マンションや高齢者住宅に引っ越す方が増えています。高齢化社会が進めば進むほど、空き家はどんどん増えていくに違いありません。

CO2排出量削減問題が深刻ですが、解体時の住宅建材が排出量が最も深刻と言われています。リノベーションは比較的環境に優しくエコなことから、国土交通省もリフォームに補助金を支払う制度をつくりました。(リノベーションとリフォームは、人によっては区別しているようですが、ここでは同じ意味として書きます。正確には定義はあいまいです。)自治体からも補助金がでるところもあるようです。

また、中古住宅を購入してリノベーションを行う場合は、住宅ローンの利用が可能です。リノベーションにかかる費用に特化した、リフォームローンも利用可能です。リフォームローンは、借入額によっては担保が不要、審査が通りやすいメリットがあります。反面、借入額の上限が低い、返済期間が短期間で金利が高いデメリットもあります。

このようなことから、中古住宅のリノベーションは持ち家の新しい形となり、今後増えていくことでしょう。

リノベーションに期待する業種は多い

リノベーションに参入する企業も増え、住宅メーカーや工務店といった建設にかかわる人と浴室やトイレなどの設備メーカーのみならず、家電・家具・インテリア小物メーカー、デザイン事務所なども乗り出し始めました。

ただ、内装のデザイン性ばかりこだわっていても、長く住み続けられなければ意味がありません。耐震性や耐久性があることが、必要最低条件です。築年数の古い家は経年劣化が激しい上に、長く住み続けるための耐震技術や耐久性といった技術が、現在の最新技術に及びません。

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そもそも、建物がのっている土台などの基礎部分が、リノベーション後どれだけ持ちこたえられるのかが重要です。

本当に新築より安いのか?

リノベーションという言葉が聞かれ始めたのは最近で、その先駆けに住宅メーカーが耐震性を強化する改修工事を行っていました。住友不動産の「新築そっくりさん」は有名です。

耐震性の改修をしたお宅に、話を聞いたことがあります。「新築を建てるくらい時間とお金がかかった!」といっていました。もともと、無垢材を使いこだわったお宅ではありましたが、改修工事に使われた建材は合板で印象がガラリと変わって、後悔の気持ちがヒシヒシと伝わってきました。

リノベーションは、新築より簡単で安いとは言い切れないのです。

他にもリフォームにかかわったお宅を、買い物の通り道で知っています。床や壁を剥がす作業は、解体業者が家を丸ごと壊すのとは違い、手作業で手間と時間がかかっているようでした。再利用する柱や土台を傷めないで、作業をするのは予想以上に難しいにちがいありません。

リノベーション中の室内

加えて実際壁を剥がしてみたら、柱の腐食や配管にダメージが見つかることもあります。きちんとしているリノベーションの施工会社なら、補修工事を行ってくれるはずですが、補修した工事が増えれば、費用の請求額も増え続けていきます。当初の予算をオーバーする可能性もありです。

インスペクション(住宅診断)の必要性

リノベーションを希望するなら、家の傷み具合を調査するインスペクションを確かな業者に頼むべきです。今住んでいる家でなく新たに購入する家であれば、購入前に行い、リノベーションできる物件かどうかを確認しておかなければなりません。

インスペクションとは、家の傷み具合を既存住宅状況調査技術者が、診断します。具体的には、建物の耐久性を左右する基礎や外壁の劣化(ひび割れ)、雨漏り等による劣化や損傷の状況などを調べます。

既存住宅状況調査技術者とは、資格保有者(一級建築士、二級建築士、木造建築士)の資格を持っていて、国土交通省が行う「既存住宅状況調査技術者講習」を受けた方です。

期待通りの間取りにならないことがある

建物の構造によって、希望通りの間取りにならないことがあります。構造上重要な耐震壁は撤去することができませんし、一般にツーバイフォーは壁が建物を支えているために取り外しが難しいとされています。

リノベーションより安くする提案

リノベーションは考えていたより、金銭的負担が大きいと考えるなら、ひとつ中古住宅をもっと安く利用する方法があります。

耐震シェルターを取り付け、地震によるリスクを軽減させるのです。

耐震シェルターも、自治体ごとに補助金を受け取ることができます。

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