スポンサードリンク

身もフタもないけどいけてる人生相談

地獄の沙汰も経験次第かな

DV(ドメスティック・バイオレンス)、不倫、虐待、ネグレスト、親の過干渉、ギャンブル、引きこもり、LGBT(同性愛者)と、家族の悩み事の語彙は増える一方です。今まで閉ざされた世界が、ネットで多くの人が発言できるようになって、色々なことがわかってきましたよね。

どれ一つをとっても、家族にも当人にも地獄で、ラジオの人生相談にみられるようなドロドロした世界を想像できます。浜辺に立ち夕陽を見る女性

こうした悩みに「随分簡単に回答してくれるじゃないのぉー」と、つぶやきたくなる回答本を見つけました。西原理恵子さんの「家族の悪知恵 身もフタもないけど役に立つ49のヒント」です。実は、西原理恵子さんに最近はまってしまい、他に、「サイバラ式」や「洗えば使える泥名言」も読んでいます。

背景の西原さんの人生がすごみを出している

西原さんの人生相談が面白いのは、西原さん自身の生きてきた背景にあります。彼女は漫画家なのですが、一心に漫画を描き続けた姿でなく、漫画家として食べていくための戦術が物凄いのです。またそれを隠さないで、書いているところもすごい!しかも、超明るくジメジメしたところがありません。

高校中退、大検を経て武蔵野美術大学に進みますが、学費はミニスカパブでホステスをやりながら稼ぎます。誰もが嫌がるエロ本のカットからの仕事を地道に貰い、のし上がっていくという、現代版 秀吉方式です。秀吉だって将軍に最初っからなりたかったわけでなく、超貧乏な状態から逃げたかっただけですよね。

彼女自身の自伝は、先にあげた3冊にも各々別の表現で書かれています。一つ一つ拾ってみると、その昔、ヤンキーで引きこもりです。結婚生活はDVで散々苦労した後、離婚して子供二人を育てています。現在、高須クリニック院長の高須克弥氏が、彼氏というのもアッパレですよね。独自に編み出した戦術を駆使して、這い上がってきた成り上がりものと言ってしまって良いでしょうね。

西原さんは自身の漫画を、【洗濯機のゴミとリネット】のようなものだといっています。確かに便利ではあるけれど、洗濯機本体のように必要性はない、安いから買っておくか程度のものなのだそうです。謙遜していっているのではなく、ごみとリネットで真剣勝負をしている姿がまた美しい。優秀なやつばかりではないのだから、「自分の立ち位置を決めておかないと生き残っていけないぞ!」メッセージが、ヒシヒシと伝わるようです。

そんな西原さんだから、どの人生相談の回答にもすごみがあります。恵まれた環境にいて、知識や体裁の良い言葉だけで答えているのではなく、実体験そのもので語っているのから説得力があります。正しいとか、間違っているとかではなく、「とりあえずこれでしのげ」みたいなところが楽しい。「腐った饅頭も、落として泥だらけの饅頭も汚いけど、腐った饅頭は体に悪いからこっちだ。」みたいな回答に、何度も何度も噴き出してしまいました。

スポンサードリンク

子供は親を選べない

「サイバラ式」という本で、子供にとってどんな親の所に生まれてくるかは、ギャンブルとありました。全員父親が違う4人兄弟は祖母に預けられますが、うち目つきの悪い2人は犬小屋で育てられます。両親は兄だけ可愛がり、お弟は体中アザだらけ、お兄さんが殴るのです。電気もガスも止められて、上着もないまま学校へ通う子供もいます。

そんな貧しい家庭で育った子供は、家庭環境も学校も交友関係も全てが低学歴な世界です。将来結婚しても、同じような環境の循環が予想されて、変わることは不可能です。

西原さんは、「このまま一生低学歴の環境で過ごすのでは」という、高校生の悩みに対して、仕事のできるオッサンを捕まえると言い切ります。何もしなければ、バカな男と結婚して、子供が三人くらいアパートの狭い部屋でギャン泣き、旦那はすぐに仕事を辞める。休みの日はパチンコへ行って、負けて帰ってきて殴られる生活が目に見えてくると続けます。バカな男にやられるくらいなら、そこから逃げて東京で仕事のできるオッサンを捕まえるべしということです。

ここでは枕営業を否定していますが、暗にそれです。原文はもっと表現が過激なのですが、小心者の私にはそのまま書くことができません。

西原節でスカッとしたい方は、「家族の悪知恵 身もフタもないけど役に立つ49のヒント」を読んでみてください。爆笑と納得が待っているはずです。

LGBT(同性愛者)は親に理解を求めるな

このところ新しい話題のLGBT。LGBT同士の結婚について現在、裁判が行われていますが、もし自分の兄弟がLGBTだったらどうでしょう?あるいは子供が。。。

私たち50代までの世代なら、身近にそういう方が一人二人知り合いにいたでしょうから、免疫があるかもしれませんが、それ以降の年代の方は無理でしょうね。

西原さんは、親戚に縁談話を持ち掛けられているLGBTには、「ウソを墓場まで持って行け」といっています。こういうことって、理屈ではないから、説明されてもそう簡単に受け入れられるものではありませんものね。

最終的に出した結論は、西原さんならではです。「とりあえず、2丁目に行け」。新宿2丁目のLGBTのたまり場に行けば、自分のLGBTの度合いもわかるし、両親や親せきへの隠し方の助言も得られる、友達だってできます。すごいよね。

もっと、もっと、目からうろこの西原節が繰り広げられているのですが、これ以上書くとネタバレで楽しみがなくなりそうなので、やめておきます。

スポンサードリンク